沖縄県新規就農一貫支援事業、いわゆる初期投資金8割補助に関する疑問と答え

就農準備・研修
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沖縄県では新規就農の一貫支援事業として、農業機械やハウス等の施設の初期投資に対して、費用の8割(80%)を助成するという事業が存在します。
助成対象とする初期投資の総額は1,000万円を限度とし、最大800万円の助成が受けられます。つまり8割引で農業に必要なモノが買えるという太っ腹な内容なのです。

助成とは、要件さえ満たせばお金をタダでもらえるという事。返済の必要はありません。

分かりやすい例を挙げると、
平張りハウスを建てる場合に、本来なら500万円の費用かかるところを、費用の2割にあたる100万円の自己負担で建てることができるという制度です。
差額の400万円(費用の8割)は当事業から助成されるのですね。

しかしこの制度には1点だけ注意事項があります。
それは、「1回しかこの制度を使えない」ということ。

就農の初期段階で60万円の中古トラクターを購入する必要があったとして、この制度を利用したとします。
すると、60万円の中古トラクターが12万円で買うことができ、48万円が当事業で助成されたということになります。お得ですねー。
しかしその後に大型機械の設備投資として、800万円の費用が必要になったとします。
もし当事業が使える場合は、800万円の設備を160万円で導入することができ、640万円が助成されることになります。
でも当事業は1回しか利用することができません。なので800万円の設備を導入する際は、すべて自己負担になってしまうのです。
先にトラクター費用として48万円が助成されたばかりに、後々必要になった設備の640万円ぶんが助成されないという大失敗が起きてしまう可能性があるのです。
今回の例の場合、その差額は約600万円。痛恨のミスですよね。

今回この事業について質問した担当者さんは、「僕だったら必要機材や設備をできるだけ多くリストアップして、満額1,000万円ぶんの申請をしますよ。審査が通ればラッキーだよね」と。確かに、1,000万円ぶんの機械・設備が200万円で導入できることは大変素晴らしいですよね。
また、このような制度は与えられた権利であり、誰でも行使することができるのです。使うも使わないも自由ということですよね。

ただ、この制度を利用する際の(2016年度時点での)注意点としては「人・農地プランへの位置づけがされていない人」で、かつ「認定新規就農者であること」など、その他細かな要件がありますので、詳しくは県や市町村の担当者に相談してみると良いかも知れません。
また、この要件は年度によって変更される場合がありますのでご注意ください。

この記事で何を言いたいかというと、

  • 新規就農者の支援制度は手厚い
  • 就農初期投資支援の8割補助は、1回しか使えない
  • どうせこの事業を利用するなら、満額1,000万円で申請してみよう
  • 人・農地プランに位置づけされる/されないによって、今後使える制度が大きく変わってくるので注意が必要

ということです。
事業継承等ではなく、全くの新規で就農する人にとっては初期投資がネックになりますので、このような制度の活用を積極的に検討したいところですね。

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