トウモロコシを何らかの作物の株間に植えてみたいなと、かねてから考えていました。その理由は、トウモロコシにはアブラムシが発生し、それを求めてテントウムシが住み着いてくれるから。
いままでの少ない農業経験から判断すると、もしトウモロコシにアブラムシが発生しても成長には影響が無さそうであり、実の肥大も順調です。もちろんアブラムシの発生程度にもよるでしょうが。
さらにトウモロコシはテントウムシにとって寝心地の良いベッドのような存在で、茎と葉のスキマや葉の裏で頻繁に見かけることがあったからです。
アブラムシ防除と防風対策のためのトウモロコシ混植
2016年の冬に播種していたズッキーニの株間に、トウモロコシを播種しました。
ズッキーニはカボチャの仲間。過去のカボチャ栽培の経験からアブラムシの被害が発生しやすいと予想したので、この栽培方法に至ったのです。
ズッキーニのアブラムシ防除のために、トウモロコシにアブラムシを寄せるの?と疑問に思われるかも知れませんね。
アブラムシには複数の種類がいて、その種類ごとに好む植物が異なります。なので、トウモロコシを好むアブラムシはズッキーニには寄生せず、その逆にズッキーニを好むアブラムシはトウモロコシには寄生しません。たぶん。
アブラムシの天敵であるテントウムシをトウモロコシに住まわせ、ズッキーニにまで出張してもらおうという魂胆なのです。
また、沖縄の冬は北東からの風が強く吹くので、トウモロコシが防風林の代わりになるのでは?という淡い期待も込めています。
ゴールドラッシュ90という品種を選択
トウモロコシは1m以上の高さまで成長し風の影響を大きく受けるため、強風時には株が倒伏してしまう弱点があります。
しかし「ゴールドラッシュ90」という品種は、これまでの品種よりも根をしっかり張り巡らせる特性があるので、強風に対する耐倒伏性を持つと聞いていたからです。
ゴールドラッシュ90の播種と発芽
2016年12月26日、ズッキーニの発芽がちらほらと確認できたので、その株間に播種。
1畝にズッキーニは株間100cm 1条植えしているのに対して、トウモロコシはその株間に2条植え。
つまり50cm間隔で、ズ1、ト2、ズ1、ト2、ズ1、ト2、という畝の設計になりました。
2016年12月30日、ゴールドラッシュ90の発芽を確認。
2017年01月06日、ゴールドラッシュ90は5cmほどまでに成長。
ズッキーニとトウモロコシの混植風景
播種から3か月ほど経過したズッキーニとトウモロコシの混植エリアは、ちょっと異様なたたずまいを見せています。
ヘアリーベッチが繁茂した中にズッキーニのための支柱が立てられ、さらにトウモロコシが生えるこの光景。慣行農法のベテラン農家さんが見ると雑草まみれに見えるでしょう。
実際に農業委員から「荒れ放題じゃないか」との話が、役場の担当窓口あったようなのです。担当者にはちゃんと事の経緯を説明しておきましたが(汗)
ヘアリーベッチとトウモロコシの相性が良い
2017年04月中旬、既にズッキーニの収獲は終わりつつあるのですが、トウモロコシの収穫時期も近づいてきました。
トウモロコシの実はヘアリーベッチのツルにぐるぐる巻きにされながらも、しっかり肥大しています。
ここ沖縄の場合、トウモロコシのヒゲにはタイワンキドクガ等の害虫が発生しやすく、実際他の圃場で育てられているトウモロコシには多くのタイワンキドクガが確認できました。
そのときの記事が以下です。
しかし当農園のトウモロコシにはあまり発生していません。
ヘアリーベッチにはタイワンキドクガの忌避効果は無さそうなのですが、ベッチの繁茂密度の高さがタイワンキドクガの産卵と食害を分散してくれているのかもしれません。
トウモロコシとヘアリーベッチ、なかなか相性が良さそうです。
収獲したトウモロコシは小ぶり
発芽までは水撒きをしていましたが、発芽以降は雨水だけで育てたトウモロコシ。小ぶりながら収獲ができました。
収獲したそばから生で食べるトウモロコシはシャキシャキと瑞々しくて甘い!まるでリンゴを丸かじりしているよう。
畑のお隣さんにお裾分けしたら、そちらで育てているパクチーを山盛りでいただきました。農業者同士の物々交換は楽しい!
トウモロコシ、ゴールドラッシュ90の栽培記録まとめ
2016年12月26日 播種
2016年12月30日 発芽のはじまり
2017年03月17日 出穂のはじまり
2017年04月21日 収獲のはじまり
2017年04月26日 収獲のおわり