サツマイモがツルボケ。原因と対策を考える

ツルボケしたサツマイモ、べにはるか 就農準備・研修
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サツマイモ「べにはるか」がツルボケた

順調に成長していると思われていたサツマイモ「べにはるか」。バイオ苗から育てている株は順調に成長し、収獲できるまでに至っています。
蒸して食べるとほんのり甘くて美味しいですよ!
しかし、バイオ苗から成長し伸びた蔓を切って、別の場所に挿し芽で植えた箇所にツルボケが発生したのです。

ツルボケとは、地表部の葉と蔓は順調に成長しているけど、土の中では芋が大きくならない現象のこと。畑を見る限りでは元気に育っているように見えるのですが、実際には芋が肥大せず、赤い根がヒョロヒョロと少し太くなるだけの結果になってしまうことです。
以下の写真がツルボケしたサツマイモ。

ツルボケしたサツマイモ

芋っぽい太めの根が存在するのですが、どれも肥大せずにヒョロヒョロと伸びちゃっています。
本来なら葉の光合成で生産した炭水化物を、地下に蓄えることでどんどん芋が太くなってゆく筈なのですが、それが出来ていないという事なのです。
サツマイモのあるべき姿は、以下のような物のはず。全く同じサイズの軍手を横に並べているので、大きさの参考基準にしてください。

1株に4本実ったべにはるか

サツマイモがツルボケする原因

先ほど比較したように、ツルボケした芋と正常な芋とでは明らかな違いがあります。
では何が原因でこのような違いが出てくるのでしょうか。原因は1つではなく、複数の要因が考えられるのです。

(1) 土壌中の窒素成分が多すぎること。
(2) 土壌中の肥料成分が多すぎること。
(3) 土壌の水分が多いこと。水を与えすぎたこと。
(4) 日光不足。光合成不足。

今回ツルボケさせてしまった原因の考察

(1)と(2)の窒素・肥料成分が多すぎること
窒素肥料やその他の化成肥料などを与えてしまうこと、または前に作っていた作物の残留肥料が土壌中に残っていることで発生するようです。
しかし僕は化学肥料を使わず、堆肥を少量入れたのは半年以上も前のこと。なので(1)と(2)は今回の原因としては考えにくいでしょう。
同量の堆肥を入れている、先に植えた場所では順調に芋が形成されていますからね。

(3) 土壌の水分が多いこと。水を与えすぎたこと
については、ちょっと思い当たる節があります。
ツルボケが発生した畝には黒マルチを使用しています。一方、順調に成長した畝にはマルチを使用していません。
畝をマルチで覆うことにより、土壌中の水分が蒸発しにくくなり、保湿力が上がります。
そして今年の沖縄の夏は、朝か夜にダラダラと雨が降っていることが多く、朝方はいつも地面が濡れている状態でした。マルチをしているので土壌中に浸透した雨水は蒸発しにくく、長時間にわたり地面を湿らせてしまいます。

(4) 日光不足。光合成不足。
については原因ではないと考えます。

なるほど、考えを整理すると原因と思われるものが見えてきますね。
今回のツルボケの原因は、水が多すぎた!ということなのでしょう。

ツルボケしたサツマイモ、べにはるか

見るも無残なツルボケ風景。4列の畝に約200株のツルボケしたサツマイモがあります。
皮算用では約7.5万円ほどの売上だったのですが、それがパー。しかし投資額は少なく金銭的な損失は少ないので、良い勉強になりました。

僕はプログラマで生計を立てているので今回の失敗からの立ち直りは早いですが、もし農業以外に仕事を持たない人が栽培に失敗したら、コリャもう大変な事でしょう。
新規就農を目指している人は、何か別の仕事と兼業できる体制を用意しておくか、または2年間ほどは無収入でも貯金の切り崩しで生きてゆけるように準備しておくと良いかも知れませんね。
退職&新規就農で全力投球したものの、栽培に失敗して再就職。農地は荒れ放題。という前例を耳にしたことがありますので。

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